公開日:2025年3月21日
最終更新日:2025年3月21日
産後
卒乳はいつがベスト?タイミングやスムーズに進めるコツを解説

卒乳は、赤ちゃんの成長における一つの変化です。授乳という親子の大切な時間が新しい形での大切な時間の使い方へと変化していきます。その変化は赤ちゃんのペースに合わせてゆっくり行いましょう。
この記事では、卒乳の目安となるポイント、スムーズに卒乳するためのコツを詳しく解説します。赤ちゃんと一緒に少しずつ進めましょう。
目次
卒乳とは
卒乳とは、赤ちゃんが母乳やミルクから卒業する時期のことを指します。赤ちゃんが授乳を必要としなくなり、欲しがることなく自然にやめるのが、卒乳です。
卒乳と断乳の違い
授乳をやめることを、断乳ともいいます。卒乳と断乳に厳密な違いがあるわけではありませんが、一般的には以下のように使い分けられることが多いです。
- 卒乳…赤ちゃんが母乳やミルクへの興味を自然に失い、飲まなくなること
- 断乳…授乳の終了を親が決め、計画的にやめること
卒乳は、あくまでも赤ちゃんのペースで行います。ある程度計画的に授乳回数を減らしていくこともありますが(計画的卒乳)、強引にやめることはしません。
一方、断乳は親が決めて行うもので、計画的に授乳を減らしていき、決めた日を境に完全に止めるのが一般的です。
卒乳と断乳のどちらを選ぶべき?
卒乳と断乳のどちらを選ぶかは、環境や事情によってそれぞれです。どちらかが良く、どちらかが悪いというものではありません。
赤ちゃんが自然にやめるまで待ちたい場合は卒乳を選び、授乳をやめて新しい生活に移行したい場合は断乳を選びます。
卒乳はいつ頃?卒乳できる目安とは

卒乳の時期には個人差がありますが、厚生労働省が「授乳・離乳の支援ガイド」で発表している調査結果によると、最も多いのは生後13〜15ヶ月でしたが、この時期にこだわる必要はありません。
卒乳できるかどうかは、次のポイントが目安になります。
食事からの栄養摂取が安定していること
1日3回の離乳食が定着し、母乳やミルクがなくても栄養の大部分を食事から摂れるようになることが、最も大切な条件です。
ただし、十分に栄養を摂れていても、赤ちゃんが母乳やミルクを欲しがっているのに無理にやめる必要はありません。赤ちゃんの様子を見ながら、タイミングがきたら卒乳するのが基本の考え方です。
寝る前・夜間授乳がなくなっていること
寝る前や夜間の授乳がなくなることも、卒乳の一つの目安になります。
1歳を過ぎると、赤ちゃんの睡眠リズムが整い、夜間の授乳回数が減る傾向があります。寝る前や夜間の授乳がなくなると、卒乳しやすくなります。
卒乳に向けて準備を進めたい場合は、まずは夜間の授乳をなくす工夫をしてみましょう。赤ちゃんが起きたときにすぐ授乳するのではなく、添い寝や抱っこで寝かせるようにしていきます。夜間の授乳がなくなると、赤ちゃんが朝までぐっすり眠れるようになるというメリットもあります。
卒乳する際のポイント

ここからは、スムーズに卒乳(計画的卒乳)するためのポイントを紹介します。
赤ちゃんの体調が安定しているときに進める
卒乳は、赤ちゃんの体調を見ながら進めしょう。たとえば、風邪をひいているときや熱があるときに授乳を減らしたりやめたりすると、赤ちゃんのストレスが増えることがあります。体調が悪いときは、母乳やミルクを飲ませてあげましょう。
環境の変化が少ない時期を選ぶ
引っ越しや保育園の入園など大きな環境の変化がある時期は、赤ちゃんが不安定になりやすいため、卒乳のタイミングとしては適していません。環境変化が少なく、精神的に安定するタイミングを選ぶことをおすすめします。
赤ちゃんとのコミュニケーションを増やす
授乳は、赤ちゃんにとって安心する時間でもあります。卒乳によってその時間がなくなってしまうので、抱っこやスキンシップを増やして赤ちゃんが安心できるようにしましょう。
焦らず赤ちゃんのペースに合わせる
卒乳がうまく進まないと感じたら、無理をせず少し時間をおくという方法もあります。赤ちゃんの様子を見ながらゆっくり進めていくと、ストレスなく卒乳できます。
食事の量や水分補給に気を付ける
授乳がなくなると、食事の量や水分補給の重要性が増します。卒乳によって食事の量が変化することがあるので、よく観察して準備してあげましょう。水分をこまめに補給することも大切です。
母乳の場合は乳腺炎に気を付ける
授乳を急にやめると、お母さんが乳腺炎になる可能性があるため注意が必要です。
卒乳時の乳腺炎を防ぐためには、少しずつ授乳回数を減らしていきます。また、必要に応じて搾乳をして、母乳を溜めすぎないようにすることも重要です。ただし、搾乳をするとその分また母乳が作られてしまうので、搾りすぎないようにしましょう。
乳腺炎になりやすい方は、助産院などに相談しながら卒乳するのもおすすめです。
まとめ
この記事では、赤ちゃんの卒乳について解説しました。
- 卒乳とは
- 卒乳はいつ頃?卒乳できる目安とは
- 卒乳する際のポイント
卒乳は、赤ちゃんとお母さんにとっての大切な変化です。赤ちゃんと一緒に無理なく焦らず進めるようにしましょう。
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<出典>
厚生労働省ホームページ「授乳・離乳の支援ガイド」

塚尾 晶子
株式会社つくばウエルネスリサーチ 取締役副社長/筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターアドバイザー/保健師
筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了 博士(スポーツウエルネス学)/ 専門領域はスポーツウエルネス学、保健学、人間環境学、公衆衛生学。
旭化成株式会社での産業保健活動、日本看護協会での健康政策の厚生労働省委託事業推進や保健師現任教育、法政大学での兼任講師等を経て、現職。地方自治体、企業等のSmart Wellness City(健康都市政策)推進のコンサルティング、人材育成、国の調査研究事業等に従事し、国や地方自 治体や大学、企業と連携して健康づくり無関心層を減少させ健康格差を和らげる政策に取り組む。

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