公開日:2025年2月13日
最終更新日:2025年2月13日
産後
産後うつとは|症状と原因、予防法を紹介

赤ちゃんの誕生を心待ちにしていたのに、いざ子育てが始まると、想像していたのとは違う毎日に戸惑いを感じることはありませんか。
あまりにも大変な毎日が続くと、
「毎日が楽しくない」
「気持ちが沈んで何もしたくない」
「そんな自分が嫌になる」
このような気持ちになることもあるでしょう。産後に気分が極端に落ち込んだり、わけもなく涙が出てきたりするのは、産後うつに見られる症状の一つです。
産後の女性は、さまざまな要因によってうつになりやすい環境に置かれています。この記事では、産後うつの症状や原因について詳しく解説し、予防のためのアドバイスも紹介しています。自分自身と赤ちゃんの心身の健康を守るためのヒントをお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
産後うつとは
産後うつは、出産後の女性の心の不調の一つで、憂鬱な気持ちや、不安感、極度な疲労感などが見られるものです。
以下のような症状が現れた場合には、産後うつの可能性があります。
- 気分が落ち込む
- 訳もなく不安になる
- 手くいかないと、自分を責めてしまう
- 涙が出てきて、コントロールできない
- 赤ちゃんがかわいいと思えなくなる
- 気力がなくなる
- 眠れない
- 食欲がない、または、過食気味になる
妊娠中に見られるマタニティブルーとは異なり、日常生活に支障をきたし、時には赤ちゃんのお世話ができなくなってしまうこともあります。
産後うつの原因

産後うつの正確な原因は解明されていませんが、これまでの研究から、以下の要因が発症のきっかけになっていると考えられています。
ホルモンバランスの変化
産前産後は、「エストロゲン」「プロゲステロン」というホルモンのバランスが変化します。これらのホルモンは、妊娠中に徐々に増えていき、産後に急激に減少します。
このバランスの急激な変動が、産後うつの一つの要因になっていると考えられています。
睡眠不足や赤ちゃんのお世話の疲れ
産後は、夜中の授乳や赤ちゃんのお世話によって、十分な休息が取れない日々が続きます。これに加え、育児が思うようにいかないストレスや、心配事が重なることで、心身の負担がさらに大きくなることもあるでしょう。
周囲のサポートがなく、誰にも頼れない環境であるほど強まりやすく、心身に大きな影響を与えることがあります。
社会からの孤立
産後は家にこもる時間が増え、自由に外出するのが難しくなります。周囲のサポートがない中、一人で育児をしている場合、「今日は大人と一言も話していない」という日が続くことも少なくありません。
外出したいと思っても、「ここには赤ちゃんを連れて行けない」「電車で赤ちゃんが泣いたら困る」と考えて、諦めることも多いでしょう。友人や同僚が活躍する姿をSNSで目にするたびに自分と比較してしまい、社会から取り残されているように感じることもあるかもしれません。
こうした孤立感は、産後うつのリスクを高める要因の一つとされています。
産後の女性をうつから守るために社会ができること

産後うつは、実は本人だけの問題ではありません。社会全体で産後のママたちを受け入れ、守ってあげることがとても大切です。
たとえば、以下のように環境を整えることが、産後うつの予防につながると考えられています。
赤ちゃん連れでも安心して過ごせる社会を作る
赤ちゃんと外出すると、肩身の狭い思いをすることがよくあります。
公共交通機関や商業施設で赤ちゃんが泣いてしまい、周囲に申し訳ない気持ちになることも多いでしょう。実際に、電車の中などで怒られた経験を持つ人もいるかもしれません。
周囲の温かい理解が広がれば、気軽に外出を楽しめるようになります。授乳室やおむつ替えスペースなどの整備も、安心して過ごせる環境づくりの大切な要素です。
安心して話せる・相談できる場を増やす
周囲の目を気にせず赤ちゃんと一緒に楽しく安心して話せる場所があることは、大きな心の支えになります。
1日に1回でも気軽に話せる機会があれば、気分転換になり、心の余裕にもつながるでしょう。さらに、そこで悩みを相談できれば、解決の糸口が見つかるだけでなく、「自分だけではない」「一人で抱え込まなくてもいい」と感じられ、心が少し軽くなるかもしれません。
子育てをしながら気軽に参加できる場やコミュニティを増やすことは、産後うつの予防につながります。
体を動かせる場を増やす
産後は、体を動かす機会が減りがちです。しかし、適度な運動は産後の体の回復を助けるだけでなく、産後うつの予防に効果があることが研究で示されています。ストレッチやヨガ、ウォーキングなど、赤ちゃんと一緒に無理なく始められる運動を少しずつ行うだけでも、気分転換にもつながるでしょう。
産後のお母さんが安心して運動できる環境が整えば、育児の合間に体を動かすことで、心身のリフレッシュがしやすくなります。たとえば、赤ちゃんと一緒に参加できる運動プログラムや、家でできるエクササイズ動画などが増えれば、育児に疲れた心と体を癒す助けになるでしょう。
マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオのご紹介

マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオは、内閣府のプロジェクトによって立ち上げられた「産前産後のからだとこころを、専門家チームと一緒にととのえる場」です。
このプロジェクトでは、妊産婦と子育て中の女性のウェルビーイング向上を図る目的でさまざまな企画が進められており、その一つに、マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオがあります。
マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオでは、以下のような場が設けられています。
- 産前産後のママが安心して体を動かせる場
- 子育て中のママ同士で交流できる場
- 専門家に相談できる場
産前産後のママが安心して体を動かせる場
マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオでは、1日1回、オンラインでエクササイズを行っています。産前産後の女性に特化した効果的なプログラムが特徴で、家庭のペースに合わせて無理なく参加できる仕組みになっています。
親子で参加することができて、赤ちゃんの都合に合わせて途中入退室も自由。画面オフでの参加も可能です。
一部の地域では、対面スタジオも用意されています。対面スタジオの様子は、こちらの記事で紹介しています。
▶︎ マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオ 対面スタジオ【東京amigo】
子育て中のママ同士で交流できる場
エクササイズの後には、参加者同士で交流できる時間が設けられています。同じような年齢や月齢の子どもを育てている女性同士で、気軽に楽しく話せる場です。
1日1回ここで話して、共通の話題で盛り上がったり、日々の悩みを共有したりすれば、リフレッシュにもなり、孤独感も和らぐでしょう。オンラインなので、全国各地のママと交流できるのも嬉しい点です。
専門家に相談できる場
マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオでは、専門家に具体的な相談ができます。子育てに関する悩みをここで相談することで、解決の糸口が見つかり、心が軽くなるかもしれません。
「どうして体重が減らないのか」「肩こりがつらい」といった気軽な相談にも対応してもらえます。また、子育ての専門家から、産後特有の体の変化やケア方法についてアドバイスを受けることも可能です。
ぜひ一度参加して、心と体をリフレッシュしてみませんか。
まとめ
この記事では、産後うつについて紹介しました。
- 産後うつとは
- 産後うつの原因
- 産後うつからお母さんを守るために社会ができること
- マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオのご紹介
ストレスや悩みを自分一人で抱え込まず、周囲の助けを借りたり、専門家に相談したりしてみませんか。
マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオでは、無料体験を受け付けています。こちらのページで紹介していますので、ぜひ息抜きに参加してみませんか。
監修者

北出 真理
順天堂大学医科学部 教授・医学博士
思春期から妊娠適齢期の女性の妊娠、妊孕性に関わる問題を、基礎研究・臨床研究を通じて解決することに取り組む。現在は、女性の妊娠にとって重要な子宮内膜症、早発閉経、着床不全、不育症といった分野で研究を行う。また女性スポーツ研究センターでは女性アスリートのコンディショニングを医学、栄養学の面からサポートするための診療、研究にも従事。

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