公開日:2025年3月7日

最終更新日:2025年3月7日

産前

妊娠中の飲み物、何がいい?カフェイン、アルコールの影響や水分補給方法について解説

妊娠中は飲み物をどう選んだら良いのか、迷うことはありませんか。

「妊娠中には○○を飲んだ方がいい」
「妊娠中はコーヒーを控えた方がいい」

いろいろな情報があるため、どれに従ったら良いのか分からなくなることもあるでしょう。特にコーヒー(カフェイン)の摂取に関して敏感になっている方も多いかもしれません。

そこでこの記事では、妊娠中に安心して過ごせるように、飲み物について解説します。

妊娠中に水分補給が必要な理由

妊娠中は日々体が変化するため、水分補給が欠かせません。妊娠中は、以下のような理由で通常より多くの水分を必要としています。

  • 血液の流れを正常に保つため
  • 羊水を良い状態に保つため

血液を正常に保つため

妊娠中は、血液を通して赤ちゃんに栄養や酸素を送るため、血液量が増加します。

血液の成分のうち9割は水分のため、血液を正常に保つためには水分が必要です。水分が不足すると、いわゆる「ドロドロ」の状態になり、血流が悪くなる可能性があります。

血栓症や妊娠高血圧症候群の予防の観点からも、血液を良い状態に保つことは重要です。

羊水を良い状態に保つため

妊娠中は、羊水の量を保つために水分を必要とします。

また、赤ちゃんは、成長に伴って羊水を飲んだり尿として排出したりするようになります。羊水をきれいに保つためにも、水分補給が必要なのです。

妊娠中はカフェインを控えた方がいいの?

妊娠中のカフェイン摂取については、以下のように、さまざまな見解があります。

 

たとえば、世界保健機関(WHO)は、1日に3-4杯までに制限することを推奨しています。英国食品基準庁(FSA) やカナダ保健省 (HC)は、1日に2杯までが良いとしています。

 

その理由として、以下の2点を挙げています。

  • 赤ちゃんの出生体重が通常より軽くなる可能性があるため
  • 自然流早産につながる可能性があるため

 

紅茶や緑茶、ウーロン茶にもカフェインは含まれていますので、これらのものを飲む場合も1日のカフェイン摂取量に加えて考えましょう。なお、デカフェやカフェインレスのコーヒーであれば、飲んでも問題はありません。

妊娠中におすすめの飲み物

一般的に、妊娠中に良いとされているのは、カフェインがほとんど含まれていない以下のような飲み物です。

  • 麦茶
  • ルイボスティー


なお、妊娠中はハーブティが良いといわれることもありますが、ハーブの中には妊娠に影響を及ぼすものもあるため注意が必要です。

妊娠中の水分補給のしかた

妊娠中は、体の変化に伴い通常よりも多くの水分が必要になります。効率よく体に吸収されるよう、飲み方やタイミングを工夫することが大切です。

 

以下に、水分補給のポイントをまとめました。

  • のどが渇く前に飲む
  • 回数を多くする

のどが渇く前に飲む

人間の体は、のどが渇いたと感じるときにはすでに体内の水分が足りない状態になっています。そうなる前に、こまめに水分を補給することが大切です。

特に、夏場は体内の水分が足りなくなりやすいので、意識して飲むようにしましょう。

回数を多くする

人間の体には、水分量を一定に保とうとするはたらきがあります。そのため、一度にまとめてたくさん飲んでも、余分な水分は排出されてしまいます。また、塩分摂取過多や妊娠高血圧症候群様症状がある場合はむくみにつながりやすく、軟便になる場合もあります。

体の中の水分量を適切に保つためには、一度に飲む量を増やすのではなく、水分補給の回数を増やすのが有効です。

妊娠中に避けたい飲み物

妊娠中に注意すべき飲み物は、アルコールです。

妊娠中は、胎盤がフィルターの役割を担っており、不要なものが赤ちゃんに届かないようになっています。しかし、アルコールは胎盤を通過して赤ちゃんに届いてしまい、影響を及ぼすのです。

なお、妊娠に気付かずに飲んでしまうこともあるかもしれません。それを防ぐためには、日頃から自分の体の状態を把握しておくことが重要です。たとえば、基礎体温をつけていると妊娠に気付きやすいというメリットがあります。妊娠を考えている方や妊娠の可能性がある方は、基礎体温を記録することを習慣にしましょう。

基礎体温については、以下の記事で詳しく紹介しています。妊娠前のすべての女性の皆さんは、ぜひご覧ください。

まとめ

この記事では、妊娠中の飲み物について紹介しました。

  • 妊娠中に水分補給が必要な理由
  • 妊娠中はカフェインを控えた方がいいの?
  • 妊娠中におすすめの飲み物
  • 妊娠中の水分補給のしかた
  • 妊娠中に避けたい飲み物

 

妊娠中はカフェインを摂取しない方が良いといわれていますが、厚生労働省では「200mgを超えないように」という見解を発表しています。また、妊娠中のアルコール摂取は赤ちゃんの成長に影響を及ぼす危険性があるため、控えましょう。

マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオは、妊娠16週から参加できるコミュニティです。妊娠中の健康を保つためのエクササイズや、情報交換、相談などができる場として、筑波大学の研究者や保健師、助産師、運動指導士などの専門家が中心になって運営しています。

 

参加者は、妊娠中や産後のメンバーばかりなので、交流の時間も楽しめます。ぜひご参加ください。

 

<出典>

厚生労働省ホームページ 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~

監修者

 

北出 真理

順天堂大学医科学部 教授・医学博士

思春期から妊娠適齢期の女性の妊娠、妊孕性に関わる問題を、基礎研究・臨床研究を通じて解決することに取り組む。現在は、女性の妊娠にとって重要な子宮内膜症、早発閉経、着床不全、不育症といった分野で研究を行う。また女性スポーツ研究センターでは女性アスリートのコンディショニングを医学、栄養学の面からサポートするための診療、研究にも従事。

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