公開日:2024年12月21日

最終更新日:2024年12月21日

産前

基礎体温とは?測り方やグラフのつけ方、体温計の選び方を紹介

妊娠を考えている皆さんは、生理が遅れたり、体調に変化があったりすると、

「これは、妊娠の初期症状?」
「これって妊娠と関係ある?」

と気になることも多いのではないでしょうか。

今回は、自分の体の変化を正しく把握できて、妊娠したかどうかの判断の目安にもなる基礎体温について紹介します。

基礎体温とは、体が安静な状態にあるときの体温のことです。毎朝同じタイミングで測り、その記録を続けることで、自分の体のリズムや状態が少しずつ見えてくるようになります。

妊娠を考えている方はもちろんのこと、まだ考えていない方も、日々の健康管理や体調の変化を把握するために基礎体温を測ってみませんか。この記事では、基礎体温とはどのようなものなのか、どのように測り、活用するのかをわかりやすくお伝えします。

妊娠初期症状の判断に基礎体温が有効な理由

基礎体温をつけていると、妊娠の可能性に早く気付くことができます。その理由を解説する前に、まずは基礎体温とは何かを理解しておきましょう。

基礎体温とはどんな体温?

基礎体温とは、体が安静な状態にあるときの体温のことを指します。具体的には、基礎代謝(生命維持のために必要な最低限のエネルギー消費)が行われている状態での体温を意味します。

通常、人の体温は食事や運動といった活動、さらには気温や湿度などの外的要因によって変化します。基礎体温は、このような要因の影響を受けない、人の基本的な体温を指すものです。

最も基礎代謝に近い状態が保たれるのは就寝中のため、基礎体温は一般的に、起床直後、体を動かす前に測るのが適切とされています。

基礎体温はどのように変化する?

女性の体温には低温期と高温期があり、以下のように周期的に変化しています。

低温期 排卵前の、体温が低い状態が続く時期
高温期 排卵後の、体温が高い状態が続く記事

グラフにすると、このような形になります。

基礎体温の変化は、ホルモンの影響によって起こります。基礎体温をつけていると体温の変化がはっきり分かるので、今がどのタイミングにあるのか、自分の体がどのような状態にあるのかを把握できるようになります。

体の状態は月経周期からも予測できますが、基礎体温をつけることで、より詳しく把握できるようになるでしょう。

妊娠初期症状の判断に基礎体温が有効な理由

妊娠すると、ホルモンの影響で高温期が続きます。通常は、高温期に入って10〜14日程度で低温期に入りますが、その後も高温が続く場合は妊娠している可能性があります。

妊娠の有無を基礎体温だけで確定させることはできませんが、早い段階で妊娠の可能性を察知する手段として、基礎体温の確認は有効です。

基礎体温で分かるその他のポイント

基礎体温をきちんと記録していると、自分の体のリズムや、普段と異なる体の変化に気付けるようになります。たとえば、以下のようなことは基礎体温から分かるので、妊娠を考えている方にとっても、そうでない方にとっても、生活しやすくなるでしょう。

 

  • 月経周期や、おおまかな排卵日
  • 妊娠しやすいタイミング
  • 妊娠の可能性

 

月経周期や、(周期による)体調変化予測、排卵機能

基礎体温は、月経や排卵のタイミングで変化します。グラフにすると低温期と高温期がはっきり分かるので、月経周期やおおまかな排卵日を予測できるようになります。

また、月経周期により体調が変化しやすい方は、症状をあらかじめ予測する事で体調のコントロールがしやすくなるでしょう。

妊娠しやすいタイミング

最も妊娠しやすいタイミングは、排卵日の前後(排卵期)です。この時期は低温期から高温期に移行するため、基礎体温をつけていると妊娠しやすいタイミングを予測できるようになります。

特に妊娠を考えている皆さんは、基礎体温をつけて自分の体の状態を把握しておきましょう。

<妊娠初期症状にすぐに気付ける>基礎体温の測り方

基礎体温は、以下の要領で測ります。体の状態を正確に把握するために、正しく測定しましょう。

基礎体温を測る体温計(基礎婦人体温計)

基礎体温は、専用の基礎婦人体温計で測りましょう。

基礎体温の日々の変化は0.01℃単位のわずかなもので、低温期と高温期の差も0.3〜0.5℃程度しかありません。一般的な体温計で微細な体温の変化を把握するのは難しいため、0.01℃単位で計測できる基礎婦人体温計が最適です。

基礎体温計は、家電量販店やドラッグストア、オンラインショップなどで購入できます。ベーシックなものなら1,500円くらい、高機能なものは10,000円以上の価格で販売されています。

基礎体温を測るポイント

基礎体温は、毎朝同じ条件で、正しく測ることが大切です。特に、以下の3つのポイントは必ず守るようにしましょう。

 

  • 毎朝忘れずに測る
  • 目覚めたらすぐに測る
  • 体を動かさずに測る
  • 体温計を舌の下に正しくセットする

 

体をできるだけ動かさずに測るために、ベッドの脇などに置いておくのがおすすめです。

<妊娠初期症状にすぐに気付ける>基礎体温のグラフのつけ方

基礎体温のグラフのつけ方は、大きく分けると2通りあります。

 

  • 基礎体温表に記入する
  • アプリに記録する

基礎体温表に記入する

基礎体温表と呼ばれる紙の記録用紙に毎朝記入する方法です。基礎体温表は、産婦人科やドラッグストアなどに用意されていますが、インターネット上でダウンロードもできます。

その日の体温をプロットしておき、前後を直線でつなげて折れ線グラフを作成します。

アプリに記録する

アプリを使って基礎体温を記録している方も多いでしょう。

アプリには、自分で入力するタイプと、基礎体温計との連動で自動記録されるタイプがあります。自動記録を利用したい場合は、それに対応した基礎体温計を用意しましょう。

基礎体温を測り忘れたらどうする?

基礎体温を測ることを習慣にしていても、ついつい忘れてしまったり、寝坊して測れなかったりすることもあるかもしれません。

基礎体温を測れなかった日は、そのまま飛ばして翌日から再開しましょう。体を動かしてからの体温は基礎体温として記録できないため、日中に測定した値を記録してしまうと正確なリズムが把握できなくなります。1日程度の記録漏れは体調管理に大きな影響を与えるものではありませんので、気にせず続けていきましょう。ただし、計測できなかった日を飛ばして線をつながないようにしましょう。

まとめ

この記事では、基礎体温とはどういうものなのか、測り方やグラフのつけ方、体温計の選び方などを紹介しました。

 

  • 妊娠初期症状の判断に基礎体温が有効な理由
  • 基礎体温で分かるその他のポイント
  • <妊娠初期症状にすぐに気付ける>基礎体温の測り方
  • <妊娠初期症状にすぐに気付ける>基礎体温のグラフのつけ方
  • 基礎体温を測り忘れたらどうする?

 

基礎体温をつけることで、自分の体のリズムや状態をより深く理解できるようになります。さらに、月経周期や排卵日などのタイミングを把握しやすくなるため、健康管理や妊娠を考える際に役立つでしょう。

 

特に妊娠を考えている方には、基礎体温をつけておけば妊娠初期症状にすぐに気付けるのでおすすめです。

 

基礎体温計は手軽に購入できるものが多く、ベーシックなタイプであれば1,500円前後で手に入ります。まだ基礎体温をつけたことがない方も、これを機に始めてみてはいかがでしょうか。

 

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監修者

北出 真理

 

順天堂大学医科学部 教授・医学博士

 

思春期から妊娠適齢期の女性の妊娠、妊孕性に関わる問題を、基礎研究・臨床研究を通じて解決することに取り組む。現在は、女性の妊娠にとって重要な子宮内膜症、早発閉経、着床不全、不育症といった分野で研究を行う。また女性スポーツ研究センターでは女性アスリートのコンディショニングを医学、栄養学の面からサポートするための診療、研究にも従事。

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