公開日:2024年11月23日
最終更新日:2024年11月23日
赤ちゃん
2歳児の食事量はどれくらい?必要な栄養素と、バランスよく食べてもらうコツ
2歳になると、成長が著しく、食べられるものも増えるため、食事の時間がますます楽しみになってきたという方も多いのではないでしょうか。一方で、この時期になると「成長期だけれどこの量で大丈夫かな」「栄養は足りているかな」「野菜を食べないからどうしたら良いのかな」と気になり始める方も多いかもしれません。
そこでこの記事では、2歳児に必要な食事量や栄養素の目安をわかりやすく解説し、バランスよく食べてもらうための工夫を紹介します。好き嫌いや食べムラがあって、なかなかバランスよく食べられない場合の対処法も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
2歳児の食事量と栄養バランスの基本
成長期の2歳児にとって、日々の活動に必要なエネルギーや栄養素を効率よく摂取することは非常に大切です。まずは、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」を参考に、2歳児の必要エネルギー量や栄養バランス、食事量の目安を見てみましょう。
2歳児に必要なエネルギー量の目安
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、2歳児の1日あたりのエネルギー必要量は(男児)950kcal(女児)900kcalで、その内訳の目標値は以下のように示されています。
2歳児に必要な食事量の目安
上記のエネルギー量と、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の内容を基に、例として2歳男児の1日あたりの食事量の目安を以下の表にまとめました。ただし、これはあくまで目安ですので、子どもの食欲や体調に合わせて調整してください。
1日あたり | 1食あたり | 食材例 (1日あたり) | |
---|---|---|---|
ご飯の量 | 280-370g | 90-120g | ご飯 子ども茶碗3杯前後 |
タンパク質 | 20g | 6-7g | 鶏もも肉 80gに相当 |
ビタミンA | 400μgRAE | 130μgRAE | にんじん 50g ほうれん草 70g |
ビタミンC | 35mg | 12mg | みかん 1個 いちご 3-4粒 |
カルシウム | 450mg | 150mg | 牛乳 400ml しらす 大さじ3 |
子どもの栄養バランスを考えると、 「牛乳をもう1杯飲ませたい 」「にんじんをもっと食べさせたい」と特定の食材にこだわりがちになることもあるかもしれません。
しかし、改めてデータを冷静に見てみると、いろいろな食材を組み合わせることで無理なく摂取できると感じた人も多いのではないでしょうか。
好き嫌いがあっても、他のもので補うことは可能です。また、毎日完璧に栄養バランスをとるのは難しいので、数日単位で献立を考えると良いでしょう。
2歳児にバランスよく食べてもらうための工夫
2歳児の食事の悩みは尽きないでしょう。そこで、少しでもバランスよく食べてもらうための方法を紹介します。特に困ることの多い、「好き嫌い」と「食べムラ」に分けて見ていきましょう。
好き嫌い克服のコツ
好き嫌いは誰にでもあるものですが、工夫次第で自然に食べられるようになることも多いものです。無理に食べさせるよりも、楽しみながら好き嫌いを少しずつ減らしていく方法を試してみましょう。
<食事の時間を楽しいものにする>
雰囲気が良いといつもより食事がおいしく食べられるのは、皆同じです。大人でも、楽しい席なら、普段は食べないようなものでも「食べてみようかな」という気になることもあるのではないでしょうか。
食事を楽しい時間にすることで、食べ慣れないものや、普段は食べないものも食べてもらえるようになるかもしれません。忙しい毎日では大変なこともあるので、できる範囲で実践してみましょう。
<家族がおいしそうに食べる姿を見せる>
子どもは大人やきょうだいの真似をしたがるので、家族が「おいしいね」と楽しんで食べる姿を見せることで興味を引きやすくなります。
実際に、「子どもが嫌がった際に、『それ食べないの?わーい!じゃあママがもらっちゃおう』と喜ぶ姿を見せたら食べてくれた」という声はよく聞かれます。きょうだいがいる場合は、お兄ちゃんやお姉ちゃんがうれしそうに食べていると、自分も食べてみたいと言う気になりやすいでしょう。
根気が必要ですが、効果があったという体験談も多いので、家族に協力してもらって、ぜひ試してみてください。
<一緒に料理をする>
時間に余裕があれば、一緒に料理をするのもおすすめです。苦手な野菜を切らせてあげると、「自分が切った」と嬉しそうに言いながら食べてくれるかもしれません。また、野菜を切りながら「どういう料理にしたい?」と選ばせてあげることで、喜んで食べることもあるでしょう。
お手伝いが好きな子なら、教えてあげると料理がどんどん上手になります。忙しい日には難しいかもしれませんが、余裕がある週末などに一緒にキッチンに立ってみませんか。
<調理法を変えてみる>
嫌いな野菜を小さく刻み、スープやカレーに入れるのも、よくある工夫の一つです。「そんなことをしても好き嫌いは減らない」と思うかもしれませんが、そのようにして食べているうちに食べ慣れることもあるでしょう。
大人でも、「サラダのトマトは苦手だけれど、キーマカレーにはトマトをたくさん入れてほしい」ということはよくあります。「素材そのものの味を覚えてもらうために、あまり味をつけずに食べさせるほうが良い」という意見もありますが、うまくいかない場合は他の方法を試してみるのも良いのではないでしょうか。
<少量から始めて成功体験を増やす>
苦手な食べ物は、お皿に一口分だけ乗せる、といった工夫も効果的です。苦手なものがたくさんあると嫌になってしまいますが、一口だけならなんとか食べられることもあるでしょう。
まずは少量から始め、成功体験を重ねることで、少しずつ苦手意識が減っていくこともあります。食べたことをほめてあげて、少しずつ量を増やしてみましょう。
食べムラへの対処法
その時によって食べる量が変わるというのは、よくあることです。「食べなさい」と強制したところであまり効果が出ず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで、食べムラへの対処法を3つ紹介します。
<子どもは気まぐれの天才だと割り切る>
食事に限らず、子どもの行動はその時の気分によっていろいろ変わるものです。「食事はきちんと食べましょう」というしつけももちろん大切ですが、「子どもは気まぐれの天才」と割り切り、時には思った通りにいかないことも受け入れてみませんか。
どうにもならないときは、ある程度許容してみるのも一つの方法です。正解はないので、子どもの様子を見ながらいろいろ工夫してみましょう。
<最初は少なめに盛り付ける>
あまりたくさん食べないタイプの子の場合、お皿にたくさん盛り付けてあると、プレッシャーに感じてしまうこともあるかもしれません。
そのような場合は、最初に盛り付けるのは少量にして、おかわりをするというのも一つの方法です。たとえ少量ずつであっても、「今日は3回もおかわりした」とほめてあげることで、「もう1回おかわり」となることもあるでしょう。
少量ずつ出すようにすれば、残りは保存しておけるので、作る側も楽になります。「また残された」とがっかりすることも減るので、ママの気持ちも楽になるのではないでしょうか。
H4:おにぎりにする
あまり食べないときには、おにぎりにすると食べる、というのはよくある話です。茶碗に残ったご飯をおにぎりにしてあげたり、自分で握らせてあげたりすると、なぜか食べてしまうこともあるでしょう。
握り方を教えてあげると、飽きたときに「おにぎりにする」と自分から言ってくることもあるものです。ぜひ試してみてください。
まとめ
この記事では、2歳児の食事量や栄養について解説しました。
・2歳児の食事量と栄養バランスの基本
・2歳児にバランスよく食べてもらうための工夫
食事は、子育ての中でも大変なことの一つですが、家族で一緒に食卓を囲むのはかけがえのない時間でもあります。時には周囲のサポートを受けながら、楽しい時間にしたいですね。
2歳児の食事についての悩みや相談は、マムアップパークでも受け付けています。エクササイズの後などにゆっくり話す時間もありますので、お気軽にご相談ください。
監修者
株式会社つくばウエルネスリサーチ 取締役副社長/筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターアドバイザー/保健師
筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了 博士(スポーツウエルネス学)/ 専門領域はスポーツウエルネス学、保健学、人間環境学、公衆衛生学。
旭化成株式会社での産業保健活動、日本看護協会での健康政策の厚生労働省委託事業推進や保健師現任教育、法政大学での兼任講師等を経て、現職。地方自治体、企業等のSmart Wellness City(健康都市政策)推進のコンサルティング、人材育成、国の調査研究事業等に従事し、国や地方自 治体や大学、企業と連携して健康づくり無関心層を減少させ健康格差を和らげる政策に取り組む。
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