公開日:2024年11月23日
最終更新日:2025年3月21日
産後
産褥体操とは|産後の体の回復を助け心もととのえる大切なエクササイズ

産後の体の回復が気になっているものの、赤ちゃんのお世話で忙しく、思うようにケアできないと感じている方も多いのではないでしょうか。
産褥体操は、産後のママのために設計された、体にやさしいエクササイズです。わざわざ時間をとらなくても、横になったときにできる動きが多く、一度覚えれば自分のペースで無理なくできるでしょう。
この記事では、産褥体操がどのようなエクササイズなのか、そして、産褥体操を多くのママが取り入れる理由について解説します。
産褥体操ってどんな体操?
産褥体操は、産後の体をケアするための運動です。血行を促進し、出産で緩んだお腹や骨盤の筋肉を整えるのに役立ちます。この体操を行うことで、次のような効果が期待できます。
- 体型の改善
- 腹壁および骨盤底筋群の回復を促す
- 尿もれの予防
- 悪露の排出促進
- 血液の循環を促し、静脈瘤や血栓の形成を予防する
- 母乳分泌のサポート
- 心のリフレッシュとストレス解消
これにより、産後の体と心の回復を助け、日常生活や仕事へのスムーズな復帰をサポートします。
産後体操はいつから始められる?
出産直後は体の回復が最優先ですが、疲労が和らぎ無理がない状態であれば、産後1日目頃から始められます。最初は軽い呼吸法や簡単な動きから始め、体調に合わせて少しずつ運動量を増やしていきます。
産褥体操はどんな運動?
産後体操は、次のような簡単な運動を組み合わせて行います。
- 呼吸法:胸やお腹を使った深呼吸でリラックス。
- 足の運動:足先を上下に動かしたり、交互に持ち上げたりして血流を良くします。
- 頭の運動:手をゆっくり上げ下げして体全体をほぐします。
- 骨盤やお腹の運動:骨盤や腹部をゆっくりと動かし、筋肉を整えます。
これらの運動は、産後24~48時間以内に始めるのがおすすめですが、無理は禁物です。体調や出血の状態に合わせて、自分のペースで進めましょう。
産褥体操はどのくらい続けるべき?
産後体操は、産後8週間くらいまでは毎日行うことで、心身の回復をサポートします。体調に合わせて回数や種類を調整しながら、楽しく続けてみてください。
産褥体操の注意点
体操を始める前に、以下のポイントを確認してください。
- 疲労が強いときや出血が多いときは無理をしない。
- 傷の痛みや熱がある場合は、医師や助産師に相談。
- 軽い運動からスタートして、徐々に体を慣らしていく。
産後体操は、赤ちゃんとの新しい生活を笑顔で楽しむための第一歩です。無理せず、自分の体を大切にしながら取り組んでみてくださいね。
産褥体操のやり方
産褥体操は、軽く体を動かす運動から始めます。
産後1日目から可能な運動
胸式呼吸
あおむけに横になり、ひざを立ててリラックスします。胸に手をあてて、ゆっくり呼吸をします。

腹式呼吸
あおむけのままお腹に手をあてて、ゆっくり呼吸をします。

足の曲げ伸ばし
あおむけのまま、ゆっくり足首の曲げ伸ばしをします。

産後2日目から可能な運動
頭の上げ下げ
あおむけで横になり、頭をゆっくり上下に動かします。ゆっくり呼吸をしながら行います。

産後5日目から可能な運動
腰の上下運動
あおむけに横になり、腰を上下させます。肛門を引き締めるイメージで腰を持ち上げ、緩めて下げます。お腹に負担をかけないように注意しましょう。

足の運動
あおむけのまま、ゆっくり足を持ち上げます。垂直に立てて、前に動かします。

産褥体操の効果は?
産褥体操は、さまざまな面で産後のママに良い効果をもたらす体操です。体をゆっくりと整えるためのエクササイズで、産褥期に特有の悩みやトラブルの改善・予防に役立ちます。
尿もれの改善・予防
産後、尿もれに悩まされている方も多いのではないでしょうか。中には、妊娠中から悩まされている方もいるかもしれません。
出産すると、妊娠中に子宮が大きくなったことや、骨盤底筋がゆるんだことによって尿もれが起こりやすくなります。中には何年たっても治らなかったり、いったん治っても10年後や20年後にまた尿もれしやすくなったりする人も多いので、気をつけたいところです。
産褥体操は、子宮を元に戻し、骨盤底筋を整えるトレーニングなので、尿もれの改善や予防にも役立ちます。尿もれとずっと付き合っていくのを避けるためにも、時間があるときに少しずつ取り入れてみませんか。
むくみや疲労感の軽減
産後のママが感じやすい体のむくみや疲労感も、産褥体操によって軽減しやすくなります。
産褥期は室内で過ごす時間が長いため、どうしても血行が滞りがちです。体に負担をかけずに軽く動かすことは、血流を促すためにも役立つでしょう。
たとえば、前述した「足先の上げ下げ」は、非常に簡単なエクササイズでありながら、第2の心臓とよばれるふくらはぎを刺激するため、血行促進効果が期待できます。

夜寝る前や、ちょっと時間ができたとき、赤ちゃんを抱っこしていて下ろせないときなどにできるエクササイズも多いので、生活の中に無理なく取り入れることから始めてみませんか。
骨盤の歪みのケア
妊娠中や出産時には、リラキシンというホルモンのはたらきによって骨盤が広げられます。また、出産によって骨盤が歪むことも多いため、産褥体操によって骨盤をやさしく動かし、正しい位置に戻します。
骨盤が開いたまま放置してしまうと、体型が崩れやすくなるだけでなく、腰痛や股関節痛を引き起こします。骨盤は、産後6ヶ月たつと元に戻りにくくなるので、早い段階から少しずつ整えるのが理想です。
お腹のたるみの引き締め
産後は、骨盤や筋肉がゆるんでいるために内臓が下がり、下腹部がたるみやすい状態になっています。また、腹筋が弱く、お腹まわりに脂肪がつきやすいため、何もしないと体型は元に戻りません。
産褥体操でインナーマッスルをゆっくり鍛えることで、内臓が下がり、お腹まわりにさらに脂肪がつくことを防ぎます。産後落ち着いたら、徐々に腹筋を使った運動を始めましょう。
姿勢の改善
産後は体に疲労がたまるうえに、授乳や赤ちゃんのお世話で前かがみの姿勢をとることが多く、猫背になりやすい状態です。猫背をそのままにしておくと、肩こりや腰痛を引き起こすだけでなく、骨盤の歪みにつながることもあります。
産褥体操で背筋を伸ばす動きを取り入れ、姿勢を整えていきましょう。それによって、肩や腰への負担が軽減されるとともに、体型の崩れを予防する効果も期待できます。
体験談:数年後に気付いた体の変化と、産褥体操の重要性
産褥体操が簡単なエクササイズだと分かっていても、忙しい毎日の中で続けられなかったり、ついつい後回しになってしまったりすることもあるでしょう。しかし、その影響が数年後の身体に影響する可能性もあります。
ここでは、実際にあった体験談を2つ紹介します。先輩ママたちの体験を参考に、できる範囲で少しずつ産褥体操を始めてみませんか。
体験談1:尿もれに悩まされる
当時は産褥体操を知らなかったので何もしませんでした。出産から数年経ってから尿もれに悩まされるようになりました。くしゃみや咳、運動時の尿もれが気になるため、骨盤底筋のトレーニングを毎日続けています。骨盤底筋は適切なトレーニングで鍛えられると言われているので、根気よく続けてみようと思います。
体験談2:骨盤が開き、ズボンがきつくなりました
体型は自然に戻るものと思っていました。しかし、産後1か月ほどで体重は戻ったものの、体型は変わったままで、数年が経過してしまいました。ジーンズがきつく感じ、骨盤の広がりが気になります。
産後の運動不足で、筋力が低下すると、体型の変化につながると聞きました。骨盤周りの筋肉を柔軟にし、正しい位置に戻すためのストレッチやエクササイズを続けています。娘が出産するときには、産後ケアの大切さを伝えたいです。
産褥体操を続けるためのヒント
体型を戻し、体を回復させるために産褥体操が役立つことは分かっていても、疲れていたり、赤ちゃんのお世話があったりするとついつい後回しにしてしまうこともあるのではないでしょうか。
そこで、育児をしながら運動を継続するためのヒントをご紹介します。
1日5分から無理なく行う
時間をとって体を動かそうとすると、気持ち的にも負担に思ってしまうかもしれません。1日5分でも構わないので、無理なくできる範囲で生活の動きに体操を取り入れましょう。
目標を決める
目標を持つことで、モチベーションを維持しやすくなります。どんな体型に戻したいのか、何を改善したいのかなど、目標を決めてみるのもおすすめです。
できることだけを自分のペースで続ける
忙しい日常生活の中で、わざわざ体操の時間を取るのは難しい日もあるでしょう。そんなときは、座ったままできるストレッチや、赤ちゃんを抱っこしたまま行える簡単な動きを取り入れるだけでも体型戻しに役立ちます。
無理せず、自分のペースで続けましょう。
まとめ
この記事では、産褥体操とはどういうものなのか、なぜ取り入れた方が良いのかを、先輩ママの体験談を交えて解説しました。
- 産褥体操ってどんな体操?
- 産褥体操のやり方
- 産褥体操の効果は?
- 体験談:出産20年後に気付いた体の変化と、産褥体操の重要性
- 産褥体操を続けるためのヒント
産後は何かと忙しいため、自分のケアが後回しになってしまうことも多いかもしれません。しかし、できることから少しずつ取り入れて、体を回復させませんか。

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監修者

塚尾 晶子
株式会社つくばウエルネスリサーチ 取締役副社長/筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターアドバイザー/保健師
筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了 博士(スポーツウエルネス学)/ 専門領域はスポーツウエルネス学、保健学、人間環境学、公衆衛生学。
旭化成株式会社での産業保健活動、日本看護協会での健康政策の厚生労働省委託事業推進や保健師現任教育、法政大学での兼任講師等を経て、現職。地方自治体、企業等のSmart Wellness City(健康都市政策)推進のコンサルティング、人材育成、国の調査研究事業等に従事し、国や地方自 治体や大学、企業と連携して健康づくり無関心層を減少させ健康格差を和らげる政策に取り組む。

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