公開日:2024年11月20日
最終更新日:2024年11月23日
産後
産後の体のケア完全ガイド|骨盤矯正から、肩こり・腰痛・メンタルケアまで
産後は、体や心に大きな変化が訪れる時期です。赤ちゃんとの新しい生活は楽しいけれど、自分の体や心のケアも気になっている…という人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、産後の骨盤矯正や腰痛対策、メンタルケアなど、産後ママが気になっていることや困っていることを少しでも改善するためのケア方法をお伝えします。
産後はどうしても自分のことが後回しになってしまいますが、赤ちゃんとのかけがえのない時間を楽しく過ごすためにも、ぜひ自分のことをいたわる時間も作りませんか。
目次
産後のケアに関する経験者の声
まずは、産後のママたちから実際に寄せられた、体や心の変化、育児の悩みについての声を紹介します。
<骨盤ケアに関する声>
「骨盤矯正が気になりながらも、行かなかったのを後悔しています」
「病院で骨盤ベルトをすすめられたのですが、座ると不快で痛かったので使いませんでした」
「骨盤ベルトを使ったせいか、体型は戻ったような気がします」
<育児の疲れに関する声>
「赤ちゃんが泣き止まないとこっちが泣きたくなります」
「寝不足で疲れがとれず、常に憂鬱です」
<身体の不調に関する声>
「産後、尿漏れに悩まされています」
「肩と腰が慢性的に痛いです」
「抱っこ紐を長時間使うと肩こりがひどいです」
「手首が腱鞘炎になりました」
ここからは、これらの悩みや不調に対して、なぜそのようなことが起こるのか、どう対処したら良いのかを紹介していきます。
産後の骨盤矯正や骨盤ケア
産後の骨盤矯正や骨盤ケアが気になっている人も多いでしょう。「放置すると骨盤が開いたままになる」と聞いて何かしなければと思っている人もいれば、何もしないまま産後6ヶ月たってしまい、「今さら始めても遅いかな」と不安に思っている人もいるかもしれません。
そこで、産後の骨盤矯正や骨盤ケアがなぜ必要なのか、具体的にどのようなことをするのかを紹介していきます。
産後に骨盤矯正や骨盤ケアが必要な理由
まずは、産後は骨盤がどのようになっているのか、それをどうすべきなのかを知っておきましょう。
<適切な時期のケアが効果的だから>
産後は、骨盤が柔らかい状態になっています。この時期は適切なケアによって骨盤を正しい位置に戻しやすいため、骨盤矯正に通っている人も多いでしょう。一般的には、産後6ヶ月くらいまでにケアすると良いといわれています。
ただし、体調は人それぞれなので、「産後2ヶ月たったから行かなければ」「6ヶ月を過ぎたら遅い」などとあせる必要はありません。自分の体が十分に回復していないのに無理をすると負担がかかってしまい、逆効果になる可能性もあるため、専門家に相談しながら体調に合わせて始めると良いでしょう。
<放置すると身体の不調につながるから>
産後は、骨盤が開いて歪んだ状態になっていることがあります。そのため、放置してしまうと体のさまざまな不調につながる可能性があります。
たとえば、骨盤が歪んでいると、腰痛や股関節痛、膝の痛みだけでなく、全身の不調につながることもあります。また、骨盤底筋が正しくはたらかないために尿もれに悩まされたり、下半身の血流が悪くなって冷えやむくみにつながったりすることもあります。
もちろん、体型の崩れも避けたいところでしょう。歪んだままにしておくのは良いことではないので、自分に合ったペースで整えることはとても大切です。
産後の骨盤矯正や骨盤ケアの具体的な内容
ここからは、骨盤矯正や骨盤ケアとは実際にどのようなものなのかを紹介します。
<骨盤矯正>
整骨院や整体院などの骨盤矯正が気になっている人や、実際に通っている人も多いのではないでしょうか。産後向けに「骨盤矯正3ヶ月プラン」などを用意している施術院も多く、週に1回程度のペースで通い続けるように設定されているのが一般的です。
整骨院や整体院などの施術院では、開いたり歪んだりしている骨盤を元の位置に戻し、安定させることを目的にケアを行っています。一度の施術で完全に戻るわけではないので、時間をかけて少しずつ骨盤を安定させていくようにプランが組まれています。
ただし、骨盤矯正は無理に通うものではないので、通っている人が多いからといって「自分も通わなければ」と考える必要はありません。ケアの方法は人それぞれなので、まずは自分に合う方法を探すことから始めましょう。
また、骨盤矯正に通う場合は、赤ちゃんを連れて行けるかどうか、泣いたときにどう対応してもらえるかなどを確認し、無理なく通えるところを選ぶことも大切です。
<骨盤ベルト>
骨盤ベルトは、適切に使うことで腰痛を防いだり、姿勢を整えたりする効果が期待できます。中には、妊娠中から病院で勧められた人もいるのではないでしょうか。
ただし、骨盤ベルトで効果を得るためには、正しく使用することが大切です。間違った位置につけてしまったり、締め付けすぎたりすると、効果がないどころか体に悪影響を及ぼす可能性もあります。正しい使い方を習い、適切に装着するようにしましょう。
また、骨盤ベルトを試してみたものの、どうしても合わないと感じることもあるでしょう。骨盤ベルトは、必ず使わなければならないものではありません。合わないと感じた場合は、無理をせず他の方法での骨盤ケアを検討すると良いでしょう。
日常生活での工夫
開いたり歪んだりしてしまった骨盤は簡単には元に戻らないため、改善するためには日頃の心がけも必要です。
たとえば、立つ時や座る時に正しい姿勢を保つことや、家庭でできる簡単なエクササイズを取り入れることで、体全体を良い状態に保つことができるでしょう。産後は、授乳や抱っこ、おんぶなどでどうしても姿勢が崩れやすいので、日頃から意識することが大切です。
マムアップパークでは、産後のママに適したエクササイズを提供しています。赤ちゃんと一緒に通える対面スタジオやオンラインプログラムが用意されているので、一度体験してみませんか。専門家が産後のママのために開発したプログラムなので、無理なく効果的に体を動かすことができるでしょう。
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産後のメンタルケア|心の負担を軽くするセルフケア
産後は、心と体が大きく変化する時期です。
赤ちゃんとの生活は嬉しく楽しいはずなのに、気分が落ち込んで辛くなることもあるでしょう。そんな自分に嫌気がさし、余計に憂鬱になってしまうこともあるかもしれません。
産後に辛くなってしまうのは、誰もが経験する可能性のあることです。プレッシャーを感じたり、落ち込んだりする必要はありませんので、自分をいたわり、心を軽くしてあげましょう。
産後のメンタル不調が起こる原因
産後は、ホルモンバランスの急激な変化によって感情のコントロールが難しくなりやすい時期です。それに加えて、赤ちゃんが泣き止まなかったり、母乳育児がスムーズにいかなかったり、睡眠不足が続いたりと日々いろいろなことが起こるため、精神的に疲れてしまうことも多いでしょう。
産後にメンタルが安定しないのは仕方のないことではありますが、それが続くのは良くないので、早めのケアを心がけましょう。
産後のメンタルケア方法
心が少し疲れてしまったときは、自分をいたわる時間を作りませんか。比較的取り入れやすい、おすすめの方法を紹介します。
<自宅でできるリフレッシュ方法>
赤ちゃんが起きているときは赤ちゃんのお世話をして、寝ている間は家事をして、残りのわずかな時間に睡眠をとる…そんな生活をしていると、いつしか頭の中が育児のことだけでいっぱいになってしまうかもしれません。
そんな自分に気付いたら、少し手を止めてリフレッシュ時間を作ってみませんか。好きなお茶を飲んだり、映画や動画を観たりするだけでも、頭が切り替えられて心が楽になるかもしれません。
いつも完璧にしている家事を少しお休みして、ぜひ自分の時間を持ってみてください。
周囲のサポートを活用する
赤ちゃんのお世話に追われる毎日に疲れを感じたら、周囲のサポートを積極的に活用しましょう。パートナーや家族に育児を手伝ってもらったり、数時間預けて美容院に行ったりするのは、多くのママが実践している方法です。
家族に頼めない場合は、自治体が提供する産後ケアやファミリーサポートなどの制度を利用するのもおすすめです。他の人にサポートしてもらうことで、思わぬ気づきが得られたり、新しい知識が増えたりすることもあるかもしれません。
産後のママのため用意されている制度やサポートは、いろいろあります。それらを活用して、もっと自分をいたわってあげましょう。
専門家に相談する
気分が落ち込む時期が長く続く場合や、一人で抱えきれないと感じるときは、専門家に相談しましょう。
誰に相談したら良いのか分からないときは、自治体の健診を活用するのもおすすめです。相談したいと伝えれば、しっかりと時間をとって対応してもらえるので、遠慮せずに話してみましょう。
マムアップパークでも、ママの心のケアに対応しています。保健師や助産師がママや赤ちゃんに関する相談を受け付けているので、心の健康を保つために、ぜひ積極的に活用してくださいね。
マムアップパークについては、こちらのページ詳しく紹介しています。
腰痛・肩こり・腱鞘炎|産後に多い体の悩みと対策
産後は、腰痛・肩こり・腱鞘炎などに悩まされている人も多いでしょう。産後のママは痛みがあるからといって休めないので、治す間もなく負担が増えていって、悪化させてしまうことも多いかもしれません。
自分を優先するのは難しいかもしれませんが、悪化すると結果的に赤ちゃんのお世話にも支障をきたしてしまうので、自分の体を守ってあげることもとても大切です。
肩こり・腰痛・腱鞘炎の原因
肩こりや腰痛、腱鞘炎の原因は人それぞれですが、産後は授乳や抱っこなどで肩、腰、手首を酷使するため、痛めやすい環境です。そして、痛いからといって抱っこをしないわけにもいかないため、痛みを我慢したり、サポーターをしたりしながら頑張っているママも多いのではないでしょうか。
赤ちゃんはどんどん成長するため、体が重くなってさらに痛みが増すことも少なくありません。ひどくなる前に、少しでもケアしておきましょう。
肩こり・腰痛・腱鞘炎の対策
子育て中のこれらの悩みを完全に解決するのは難しいかもしれませんが、悪化を防ぐ対策はいくつかあります。ここでは、簡単に取り入れられる基本的な2つの対策を紹介していきます。
<姿勢を変えてみる>
抱っこや授乳は、いつも同じ姿勢で行いがちです。これをときどき変えるだけでも、体への負担が軽くなるかもしれません。
いつも頭を右にすることが多い場合は左にしてみたり、抱き上げるやり方を変えてみたり、授乳の時の体勢を変えたりすることで、体への負担が変わるでしょう。ぜひ試してみてください。
<エクササイズを取り入れる>
体の痛みは、筋肉をつけることで緩和される場合があります。筋肉をつけると関節への負担が軽くなるだけでなく、血流もよくなるため、肩腰の痛みの改善に役立つでしょう。
ストレッチや簡単なエクササイズでも十分な効果が期待できるので、気付いた時に少し体を動かしてみませんか。
まとめ
この記事では、産後の体のケアについて紹介しました。
・産後のケアに関する経験者の声
・産後の骨盤矯正や骨盤ケア
・産後のメンタルケア|心の負担を軽くするセルフケア
・腰痛・肩こり・腱鞘炎|産後に多い体の悩みと対策
産後は、どうしても体や心が疲れやすくなってしまいます。痛みや疲れを感じたときには、無理をせず、自分をいたわりながら少しずつケアしていきましょう。
ママの体と心が落ち着くと、赤ちゃんとの毎日がさらに愛おしく感じられるかもしれません。小さな成長や笑顔を見つけながら、今だけのかけがえのない時間を、ゆっくりと楽しんでくださいね。
塚尾 晶子
株式会社つくばウエルネスリサーチ 取締役副社長/筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターアドバイザー/保健師
筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了 博士(スポーツウエルネス学)/ 専門領域はスポーツウエルネス学、保健学、人間環境学、公衆衛生学。
旭化成株式会社での産業保健活動、日本看護協会での健康政策の厚生労働省委託事業推進や保健師現任教育、法政大学での兼任講師等を経て、現職。地方自治体、企業等のSmart Wellness City(健康都市政策)推進のコンサルティング、人材育成、国の調査研究事業等に従事し、国や地方自 治体や大学、企業と連携して健康づくり無関心層を減少させ健康格差を和らげる政策に取り組む。
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