公開日:2024年11月19日

最終更新日:2024年11月20日

お役立ち情報

産後ケアとは|公費・自費の違いや申し込み方法、利用時のポイントを解説

産後ケアは、出産後に体を休めたり、育児のサポートを受けたりできる心強いサービスです。

出産による身体的な負担は大きく、できることなら産後6〜8週間ほどかけてゆっくり回復させるのが理想といわれています。しかし、社会状況の変化により、退院したその日から赤ちゃんのお世話や家事に追われ、自分のケアは後回しになってしまうママが増えました。そこで注目されるようになったのが、産後ケアです。

この記事では、産後ケアについて、産後ケアとはどういうものなのか、施設によってどのような違いがあるのかをまとめて紹介します。これから出産を控えている方も、前回の出産では利用しなかった方も、自分のため、家族のために産後ケアを検討してみませんか。

産後ケアとは

産後ケアとは、産後のママと赤ちゃんをサポートするためのケアサービスです。出産後の回復期にあるママが、ゆっくり休んだり、体のケアを受けたりすることができます。専門スタッフがいるので、沐浴や寝かしつけの仕方を教えてもらったり、育児の悩みを相談したりすることもできます。

産後ケアは、主に以下の施設で提供されています:

• 病院や助産院
• 産後ケア専門施設
• ホテルによる産後ケアプラン

退院後にそのまま産後ケア施設に滞在することもできますが、一般的には、退院後に育児をしながら必要に応じて利用することが多いです。

産後ケアの具体的な内容

産後ケアの内容は、利用可能な施設やサービス内容は自治体によって異なります。主に以下のようなサポートが提供されています。

・ママと赤ちゃんの健康状態のチェック
・ママの食事の提供
・マッサージやリラクゼーションなどのケア
・休みたいときの赤ちゃんのお預かり
・寝かしつけや沐浴のサポート
・体調や育児に関する相談

日帰り型(デイケア)、宿泊型(ショートステイ)、訪問型(アウトリーチ)のようなプランが用意されており、希望に合わせて利用できます。

産後に実家などのサポートを受けられないママや、ワンオペで辛いときなどに、安心して頼れるのが産後ケアです。

公費の産後ケアと自費の産後ケアの違い

産後ケアには、大きく分けると、公費で受けられるものと、自費のものがあります。それぞれ以下のような特徴があります

公費の産後ケア

現在、多くの自治体が産後ケア事業を実施しています。公費での利用はリーズナブルですが、自治体ごとに利用条件が異なり、多くの場合、産後1年以内に2〜3回程度の利用が上限とされています。利用可能な施設や内容も限られるため、事前に詳細を確認することが大切です。

自費の産後ケア

自費の産後ケアでは、料金に応じて幅広いサービスを選ぶことができます。たとえば、退院直後にホテルに滞在し、24時間赤ちゃんを預けられるプランや、育児教室が含まれるプランなどが人気です。料金は施設によって異なりますが、1泊30,000円前後が一般的です。具体的な内容は各施設に問い合わせるのが確実です。自費で受ける産後ケアは、費用もサポート内容も様々ですが、大きく分けると2種類あります。

・病院や助産院、地域の産後ケア専門施設
・ホテルの産後ケアプラン、産後ケアホテル

<病院や助産院、地域の産後ケア専門施設>

地域の産後ケア施設は、公費でも自費でも利用できるケースが多くあります。公費の産後ケアの利用回数を超えてしまった場合や、公費の予約枠が空いてない場合に、自費で申し込むことができます。具体的な料金は施設や自治体ごとに異なるため、事前確認が必要です

公費と自費での費用やサポート内容の違いは、自治体や施設によります。以下は、その一例です。

料金相場

公費 自費
ショートステイ(1泊) 10,000~20,000円 20,000~100,000円
デイケア(日帰り) 3,000~5,000円 10,000~20,000円

<ホテルの産後ケアプラン、産後ケアホテル>

ホテルの産後ケアプランや、産後ケア専門ホテルが増えてきました。里帰りが難しい人や、家族のサポートがない人で、自宅でのケアに不安を感じる人などが利用しています。退院直後にホテルに直行して1〜2週間滞在したり、その後、休みたいときや家族が出張で不在のときなどに宿泊したりと、いろいろな利用方法があります。

24時間いつでも赤ちゃんを預けて休めるサービスや、きょうだいの託児、ベビーマッサージや産後ヨガ・ピラティス教室などのサポートが付いたホテルも多いので、安心して、楽しみながら体を休めることができます。また、施設によってはおむつやミルクなどのベビー用品が用意されていることもあるため、荷物が少なくて済むのも嬉しい点です。

産後ケアの申し込み方法

産後ケアを受けるためには、予約や手続きが必要です。方法は自治体や施設によって異なりますが、ここでは一般的な内容を紹介します。

公費の産後ケアの申し込み方法

公費で産後ケアを利用する場合は、自治体での手続きが必要です。多くの場合、書類を提出した後、面談などを経て承認されると利用が可能になります。予約は、各自で直接施設に連絡して行います。
公費の産後ケアは人気が高く、空きがないことも多いため、予約受付の開始日や予約方法を事前に確認しておくと良いでしょう。また、可能であれば事前に施設を見学しておくと、安心して利用できるのでおすすめです。

自費の産後ケアの申し込み方法

自費の産後ケアを利用する場合は、各施設に直接予約を行います。特に退院後すぐに利用したい場合は、出産前に予約しておく必要があるため、余裕のあるうちに調べておくと良いでしょう。

また、ホテルの産後ケアプランや産後ケア専門ホテルでは、見学会や説明会が開催されることがあります。客室も見学できたり、不安なことがあれば質問ができたりするので、ぜひ参加してみましょう。東京近郊のホテルでは、東京駅などからの送迎付き見学ツアーが用意されている場合もあります。

まとめ

この記事では、産後ケアについて紹介しました。

・産後ケアとは
・産後ケアの具体的な内容
・公費の産後ケアと自費の産後ケアの違い
・産後ケアの申し込み方法

産後ケアは、産後の体をいたわり、これから赤ちゃんとの時間を楽しむための力を取り戻す大切な時間です。自分と赤ちゃんにとって最適なケア環境を整えるため、ぜひ産後ケアを検討してみてください。


監修者

塚尾 晶子

株式会社つくばウエルネスリサーチ 取締役副社長/筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターアドバイザー/保健師

筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了 博士(スポーツウエルネス学)/ 専門領域はスポーツウエルネス学、保健学、人間環境学、公衆衛生学。

旭化成株式会社での産業保健活動、日本看護協会での健康政策の厚生労働省委託事業推進や保健師現任教育、法政大学での兼任講師等を経て、現職。地方自治体、企業等のSmart Wellness City(健康都市政策)推進のコンサルティング、人材育成、国の調査研究事業等に従事し、国や地方自 治体や大学、企業と連携して健康づくり無関心層を減少させ健康格差を和らげる政策に取り組む。

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