公開日:2024年10月31日
最終更新日:2025年3月21日
産後
産後のむくみはなぜ起こる?原因と解消法を紹介

産後のむくみに悩まされている方は多いのではないでしょうか。産後は、出産による体の変化によって、足や手、顔などがむくみやすくなります。 この記事では、産後のむくみがなぜ起こるのか、その原因を解説し、日常生活で取り入れられる解消法や予防法を紹介します。簡単にできるものばかりですので、ぜひ試してみてください。
目次
産後のむくみの原因
産後のむくみは、多くの女性が経験する症状です。これは、体が正常に水分を排出できなくなり、血液や体液の循環が滞ることで引き起こされます。循環が滞る要因は複数ありますが、ここでは主な2点について説明します。
- ホルモンのバランスの変化
- 授乳で体が水分をため込むため
ホルモンのバランスの変化
産褥期は、ホルモンバランスが通常と異なり、水分をためこみやすい状態になっています。体内の水分を調整する働きを持つエストロゲンやプロゲステロンのバランスが急激に変化することで、体が水分をためこみやすくなってしまうのです。
この時期を過ぎるとホルモンバランスが徐々に安定し、体も少しずつ回復していきます。
授乳で体が水分をため込むため
授乳中は水分を多く消費しますが、産後のホルモン変化や、日常生活での活動量が減ることなどの影響で、むくみが生じやすくなることがあります。
これは、体が産後の回復過程で水分の管理が一時的に乱れやすくなるためです。母乳育児は長期間続くことが多いので、むくみがつらい場合は、無理のない範囲でむくみを和らげるケアを試してみるのがおすすめです。
産後のむくみを解消する方法

では、血液や体液の循環を改善し、むくみを解消するためにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、産後の忙しい日常生活の中に取り入れられる、簡単な方法を紹介します。
全身に効果のあるむくみ解消法
筋トレでホルモンバランスを整える
筋トレも効果的な対処法の一つです。最近の研究で、筋トレにはホルモンバランスを整える効果があることが分かりました。 筋肉が動き、それによってホルモンバランスが整いやすくなるのです。自宅でできる軽い筋トレでも十分に効果が期待できるので、時間を見つけて取り組んでみませんか。
無理なくできる有酸素運動で、血行とリンパの流れをよくする
適度な有酸素運動も、むくみの解消に役立ちます。有酸素運動をすると血液循環とリンパの流れを促進し、むくみが改善されやすくなるのです。
有酸素運動と聞くと、エアロビクスやランニングなどがイメージされるかもしれませんが、歩くことや家の掃除などでも十分な効果が得られます。激しい運動よりも、ウォーキングなら早歩き程度、ランニングなら会話をしながら走れる程度の負荷をかけるのが理想です。
有酸素運動は血管を若返らせる効果があります。高血圧など生活習慣病予防にもなります。
「塩分を控えること」と「十分な水分摂取」
むくみがあるときは、体内の余分な塩分や老廃物を排出するために、水分を十分にとることが必要です。
むくみが気になるときは水分を控えた方が良いイメージがあるかもしれませんが、それは逆効果なので注意しましょう。 ただし、塩分や糖分が入った飲み物は逆に水分の吸収を妨げてしまうため、ジュースなどは控えましょう。水や、カフェインの入っていないお茶がおすすめです。
足のむくみ解消法
足は重力の影響を受けやすく、産後は長時間同じ姿勢を取ることが多いため、どうしてもむくみやすくなります。しかし、日常生活にちょっとした動作を取り入れるだけで軽減される可能性がありますので、ぜひ試してみてください。
足を高くして血液や体液を循環させる
足がむくんでいるときは、足の血液や体液がうまく循環していない状態になっています。それを解消する方法として、足を高くして横になるというのはよく知られている方法です。 心臓より高い位置に置くことで、血液や体液の流れが改善し、むくんだ足の水分が体に戻りやすくなるという効果があります。赤ちゃんを抱っこしながらでも簡単にできるので、気軽に試してみましょう。また、足や手のリンパマッサージを行うことで、滞った体液を流しやすくし、むくみを軽減する効果が期待できます。優しくさするようにマッサージを行いましょう。
授乳中に足首を回す
足首回しは、授乳中の座っている時間を使って行える簡単なエクササイズです。
座った状態で片足を少し持ち上げて足首を大きくゆっくりと回します。時計回りと反時計回りをそれぞれ10回ずつ繰り返しましょう。たったこれだけの動作でも、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たし、血流が促進されます。
気付いたときに行えるので、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
入浴後に簡単なストレッチを行う
お風呂で体を温めた後で足首やふくらはぎのストレッチを行うと、血流が良くなります。
可能であれば時間をかけて行うのが理想ですが、そこまでの時間を取れない場合は、ふくらはぎのストレッチを数十秒行うだけでも効果があるのでおすすめです。わざわざ時間を取らなくても行えるので、ぜひ試してみてください。
手のむくみ解消法
産後は授乳や抱っこで手や腕を酷使することが多く、血液やリンパの流れが滞りやすいため、手のむくみが起こりがちです。指輪が抜けなくなるほどむくんでしまうこともあるので、そうなる前にケアをしましょう。
授乳中に指のストレッチをする
手のむくみ軽減には、指のストレッチが効果的です。
両手を肩の高さで前に出し、指をゆっくりと大きく開き、閉じる動作を繰り返します。この「グーパー運動」を10〜15回行いましょう。授乳中に、空いている手をこのように動かすだけでも効果が期待できます。忙しくてもできるストレッチなので、1日に数回、思い出したときに行いましょう。
授乳中に手首を回す
手を前に出し、手首を上下にゆっくり動かします。その後、手首を時計回りと反時計回りに大きく回す動作を10回ずつ行います。手首周りの筋肉がほぐれると、リンパの流れがスムーズになり、肩や首の疲れも解消されやすくなります。これも授乳中に行えますので、ぜひ取り入れてみてください。
産後のむくみを予防する方法
産後のむくみは、意識を少し変えるだけでケアできます。ここでは、誰でも今日から日常生活に取り入れられる予防法を5つ紹介します。
- カリウムを含む食品を積極的に取り入れる
- タンパク質を摂る
- 加工食品や塩分の多い食品を控える
- 休息と睡眠を大切にする
- 冷え対策をする
カリウムを含む食品を積極的に取り入れる
カリウムには、余分なナトリウムを排出し、水分バランスを整えるはたらきがあります。むくみの予防に効果が期待できます。
妊娠中は毎日適量のカリウムを摂取することが重要ですが、基本的にはバランスの良い食事を意識すれば不足することはありません。特にむくみが気になる方は、意識してカリウムを含む食品を取り入れてみてください。
<例>ほうれん草、じゃがいも、さつまいも、納豆、バナナ、アボカド、ヨーグルトなど
ちょっとお腹がすいたときや、甘いものが食べたくなったときに、お菓子ではなくバナナを食べるというのも一つの方法です。カロリーがおさえられ、カリウムも摂取できるので、むくみやすい方におすすめです。
タンパク質を摂る
血液中のタンパク質(特にアルブミン)は、体液のバランスを保つ役割を果たしています。特に、脂肪の少ない食材がおすすめです。
<例>魚、鶏肉、豆類など
筋肉は、タンパク質を摂取し、運動することで作られます。出産後、忙しさのために体を動かす機会が減ってしまっている方は、ぜひマムアップパーク by 健幸スマイルスタジオのオンラインプログラムにご参加ください。
マムアップパークとは、妊娠中や産後の女性が集まって、オンラインでエクササイズを行い、その後情報交換などができるコミュニティです。赤ちゃんを抱っこしながらでも無理なく行える簡単なエクササイズですが、翌日は筋肉痛になるという声もあるほど効果の高いものです。無料体験も受け付けていますので、ぜひ一度ご参加ください。
加工食品や塩分の多い食品を控える
レトルト食品などには塩分が多く含まれているため、量を減らすだけでもむくみの予防に効果があります。
また、時間がなくて加工食品に頼らざるを得ない場合は、先ほど紹介したカリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂ることで、過剰な塩分が排出されやすくなります。少しの工夫でむくみを予防できるので、ぜひ心がけてみてください。
休息と睡眠を大切にする
産後は、夜中の授乳のために睡眠不足になりがちです。しかし、睡眠が不足すると体内のホルモンバランスが乱れ、水分が排出されにくくなります。睡眠不足が続くと血液やリンパの流れも滞りがちになるため、これもむくみの原因になります。
少しでも早くベッドに入って、睡眠時間を確保しましょう。可能であれば、夜中の授乳を家族に代わってもらうという方法もあります。
冷え性対策をする
体が冷えると、血流が悪くなり、手足などがむくみやすくなります。また、筋肉が冷えて硬くなり、血液やリンパを流すポンプの役割を果たさなくなることも、むくみが生じやすくなる原因です。
冷えは、女性の体にさまざまな悪影響を及ぼすため、特に寒い季節には体を温めるよう工夫しましょう。次のような簡単な対策でも、体が冷えにくくなります。
- 入浴時にゆっくり温まる
- 靴下を履いて足元を温める
- ストレッチや軽い運動で血行を促進する
- 温かい飲み物を適度に摂る
- 冷たい飲み物や食べ物を控えめにする
- 体を冷やさない服装を心がける
要注意!産後のむくみですぐに対処すべき場合とは
ここまでは、日常生活でできる産後のむくみ解消法を紹介してきましたが、注意が必要な場合もあります。次のような症状が見られたときは、自己判断を避け、できるだけ早く専門家の診察を受けることをおすすめします。
- 妊娠中に高血圧や腎機能の低下を指摘された場合
- 靴が履けないほどのむくみや、呼吸が苦しくなるなどの症状がある場合
妊娠中に高血圧や腎機能の低下を指摘された場合
妊娠中に血圧が高くなったり、腎機能が低下したりする方もいます。通常は産後に症状が改善します。しかし、症状が改善せず、それが原因でむくみが続いているケースでは注意が必要です。 妊娠中に医師から指摘を受けていた方は、専門医の診察を受けるようにしましょう。
靴が履けないほどのむくみや、呼吸が苦しくなるなどの症状がある場合
産後のむくみは通常、一時的な体調の変化によるものです。しかし、靴が履けないほどむくみが強い場合や、呼吸が苦しくなる、片方の足や腕だけがむくんでいる場合、頭痛、視界の異常(かすみ目や閃光が見えるなど)、吐き気、めまいを伴う場合は、一般的なむくみとは異なる可能性も考えられます。このように症状が重いときには、自己判断を避け、速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。
まとめ
この記事では、産後のむくみの原因と解消法を解説しました。
- 産後のむくみの原因
- 産後のむくみを解消する方法
- 産後のむくみを予防する方法
- 要注意!産後のむくみですぐに対処すべき場合とは
今回お伝えした解消法は、どれも簡単なものばかりです。しかし、継続するのが簡単ではないと思った方も多いかもしれません。 そんなときは、ぜひMOM UP PARK by 健幸スマイルスタジオにご参加ください。妊娠中や産後の症状に悩む方が集まる場で、楽しみながら情報交換をしませんか。

おすすめ記事
TOPに戻る