公開日:2024年10月31日

最終更新日:2024年11月14日

産後

産後のむくみはなぜ起こる?原因と解消法を紹介

産後のむくみに悩まされている方は多いのではないでしょうか。産後は、出産による体の変化によって、足や手、顔などがむくみやすくなります。 この記事では、産後のむくみがなぜ起こるのか、その原因を解説し、日常生活で取り入れられる解消法や予防法を紹介します。簡単にできるものばかりですので、ぜひ試してみてください。

産後のむくみの原因

産後のむくみは、多くの女性が経験する症状です。これは、体が正常に水分を排出できなくなり、血液や体液の循環が滞ることで引き起こされます。循環が滞る要因は複数ありますが、ここでは主な2点について説明します。
  • ホルモンのバランスの変化
  • 授乳で体が水分をため込むため

ホルモンのバランスの変化

産褥期は、ホルモンバランスが通常と異なり、水分をためこみやすい状態になっています。体内の水分を調整する働きを持つエストロゲンやプロゲステロンのバランスが急激に変化することで、体が水分をためこみやすくなってしまうのです。 この時期を過ぎるとホルモンバランスが徐々に安定し、体も少しずつ回復していきます。  

授乳中はホルモンの変化等で体が水分をため込みやすくなる

授乳中は水分を多く消費しますが、産後のホルモン変化や、日常生活での活動量が減ることなどの影響で、むくみが生じやすくなることがあります。これは、体が産後の回復過程で水分の管理が一時的に乱れやすくなるためです。母乳育児は長期間続くことが多いので、むくみがつらい場合は、無理のない範囲でむくみを和らげるケアを試してみるのがおすすめです。

産後のむくみを解消する方法

産後のむくみはなぜ起こる?原因と解消法を紹介2 では、血液や体液の循環を改善し、むくみを解消するためにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、産後の忙しい日常生活の中に取り入れられる、簡単な方法を紹介します。
  • 足を高くして血液や体液を循環させる
  • 筋トレでホルモンバランスを整える
  • 無理なくできる有酸素運動で、血行をよくする
  • 塩分と糖質を含まない水分を十分にとる

足を高くして血液や体液を循環させる

足がむくんでいるときは、足の血液や体液がうまく循環していない状態になっています。それを解消する方法として、足を高くして横になるというのはよく知られている方法です。 心臓より高い位置に置くことで、血液や体液の流れが改善し、むくんだ足の水分が体に戻りやすくなるという効果があります。赤ちゃんを抱っこしながらでも簡単にできるので、ぜひ取り入れてみてください。また、足や手のリンパマッサージを行うことで、滞った体液を流しやすくし、むくみを軽減する効果が期待できます。優しくさするようにマッサージを行いましょう。

筋トレでホルモンバランスを整える

筋トレも効果的な対処法の一つです。最近の研究で、筋トレにはホルモンバランスを整える効果があることが分かりました。 筋肉が動き、それによってホルモンバランスが整いやすくなるのです。自宅でできる軽い筋トレでも十分に効果が期待できるので、時間を見つけて取り組んでみませんか。

無理なくできる有酸素運動で、血行とリンパの流れをよくする

適度な有酸素運動も、むくみの解消に役立ちます。有酸素運動をすると血液循環とリンパの流れを促進し、むくみが改善されやすくなるのです。 有酸素運動と聞くと、エアロビクスやランニングなどがイメージされるかもしれませんが、歩くことや家の掃除などでも十分な効果が得られます。激しい運動よりも、ウォーキングなら早歩き程度、ランニングなら会話をしながら走れる程度の負荷をかけるのが理想です。有酸素運動は血管を若返らせる効果があります。高血圧など生活習慣病予防にもなります。

「塩分を控えること」と「十分な水分摂取」

むくみがあるときは、体内の余分な塩分や老廃物を排出するために、水分を十分にとることが必要です。むくみが気になるときは水分を控えた方が良いイメージがあるかもしれませんが、それは逆効果なので注意しましょう。 ただし、塩分や糖分が入った飲み物は逆に水分の吸収を妨げてしまうため、ジュースなどは控えましょう。水や、カフェインの入っていないお茶がおすすめです。

要注意!産後のむくみですぐに対処すべき場合とは

ここまでは、日常生活でできる産後のむくみ解消法を紹介してきましたが、注意が必要な場合もあります。次のような症状が見られたときは、自己判断を避け、できるだけ早く専門家の診察を受けることをおすすめします。
  • 妊娠中に高血圧や腎機能の低下を指摘された場合
  • 靴が履けないほどのむくみや、呼吸が苦しくなるなどの症状がある場合

妊娠中に高血圧や腎機能の低下を指摘された場合

妊娠中に血圧が高くなったり、腎機能が低下したりする方もいます。通常は産後に症状が改善します。しかし、症状が改善せず、それが原因でむくみが続いているケースでは注意が必要です。 妊娠中に医師から指摘を受けていた方は、専門医の診察を受けるようにしましょう。

靴が履けないほどのむくみや、呼吸が苦しくなるなどの症状がある場合

産後のむくみは通常、一時的な体調の変化によるものです。しかし、靴が履けないほどむくみが強い場合や、呼吸が苦しくなる、片方の足や腕だけがむくんでいる場合、頭痛、視界の異常(かすみ目や閃光が見えるなど)、吐き気、めまいを伴う場合は、一般的なむくみとは異なる可能性も考えられます。このように症状が重いときには、自己判断を避け、速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。

まとめ

この記事では、産後のむくみの原因と解消法を解説しました。
  • 産後のむくみの原因
  • 産後のむくみを解消する方法
  • 要注意!産後のむくみですぐに対処すべき場合とは
今回お伝えした解消法は、どれも簡単なものばかりです。しかし、継続するのが簡単ではないと思った方も多いかもしれません。 そんなときは、ぜひMOM UP PARK by 健幸スマイルスタジオにご参加ください。妊娠中や産後の症状に悩む方が集まる場で、楽しみながら情報交換をしませんか。  

監修者

塚尾 晶子 株式会社つくばウエルネスリサーチ 取締役副社長/筑波大学スマートウエルネスシティ政策開発研究センターアドバイザー/保健師 筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程修了 博士(スポーツウエルネス学)/ 専門領域はスポーツウエルネス学、保健学、人間環境学、公衆衛生学。 旭化成株式会社での産業保健活動、日本看護協会での健康政策の厚生労働省委託事業推進や保健師現任教育、法政大学での兼任講師等を経て、現職。地方自治体、企業等のSmart Wellness City(健康都市政策)推進のコンサルティング、人材育成、国の調査研究事業等に従事し、国や地方自 治体や大学、企業と連携して健康づくり無関心層を減少させ健康格差を和らげる政策に取り組む。
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